司法書士試験

司法書士試験の受験界には,「検索先の一元化」と「情報の一元化」という対立する考え方があります。どちらも試験勉強の大きな方向性を決めるものであり,どちらかの方針で学習することになります。
私は,「検索先の一元化」をお薦めしています。しかし,「検索先の一元化」だけをご説明するよりも,対立する考え方である「情報の一元化」をご説明し,その違いから考える方がわかりやすいので,まずは「情報の一元化」とはどのような考え方なのかをご説明し,「検索先の一元化」をご説明します。

情報の一元化とは?

「情報の一元化」とは,何か一つの教材に決めて,その一つの教材に試験勉強で得られる知識を集約していく考え方です。集約先の教材を何にするかは人によって異なります。テキスト,六法,カコ問,まとめ本など様々なものがありますが,ここでは割と多くの方が採っていらっしゃるまとめ本を集約先にしたと仮定してご説明します。
まとめ本を集約先にして情報の一元化をするということを図解すると,次のようになります。

 

司法書士試験・情報の一元化

 

試験勉強で触れる様々な知識を一つの教材に集約していくという考え方が,情報の一元化です。この例でいうと,まとめ本にないテキストの知識,六法の条文や判例,カコ問の肢,答練及び模試の肢,又は単科講座(予備校が行う数回程度のポイント講座)で得た知識を,まとめ本に集約していきます。具体的には,まとめ本に書き込みをしたり,カコ問,答練又は模試の肢を切り取りまとめ本に貼り付けたりします。
つまり,ある一つの教材に情報を集約し,その教材を“太らせていく”ことが情報の一元化というものです。

 

では,何のためにこの情報の一元化をするかという問題ですが,それは直前期に,「この教材だけを回せばよい」というものを作るためです。つまり,直前期の学習の便宜のために情報の一元化を行うわけです。
しかし,この情報の一元化には,最大の欠点があります。それは,作業に時間がかかるということです。書き込んだり,貼り付けたりという行為は,作業です。書き込みの方は,多少は記憶に役には立ちますが,作業であることに変わりはありません。
また,情報の一元化には,一つ大きな視点が欠けています。それは,情報を集約した教材は本試験に持ち込めないのです。もちろん,会場には持ち込めますが,試験が始まれば見ることはできません。よく「ゴールからの発想」と言います。みなさんの当面のゴールは,司法書士試験に合格することでしょう。そのためには,筆記試験で合格点を獲らなければなりません。そうすると,ゴールに最も近い時点とは,筆記試験の最中ということになります。しかし,この情報の一元化とは,ゴールの手前(直前期)からの発想なのです。

 

こういった欠点や重要な視点の欠如があるため,私は次にご説明する「検索先の一元化」をお薦めしています。

検索先の一元化とは?

情報の一元化の欠点,及び,重要な視点の欠如,その反省から生まれたのがこの「検索先の一元化」です。特に「情報を集約した教材は本試験に持ち込めない」という視点が重要になってきます。情報の一元化は,「ゴールの手前(直前期)からの発想」とご説明しました。筆記試験の本番が最もゴールに近く,最も重要であるわけですから,ここから考えないといけません。そうすると,筆記試験に持ち込めるものが問題となってくるわけですが,テキストやまとめ本などの“物体”に情報を集約したとしても,それは本試験に持ち込めません。筆記試験に持ち込めるものは自分の「脳」のみです(文房具及び平成23年度司法書士試験以降はペットボトル1本を持ち込めますが,ここでは関係のない話なので省略します)。
そうすると,次のような「検索先の一元化」という発想になります。

 

 

司法書士試験・検索先の一元化

 

 

この図が何を表しているかというと,「ある知識が問われたときに,どこを思い出すか(どこを検索するか)決めておく」ということです。本試験に持ち込めるのは自分の脳だけなのですから,「Aという知識はテキストという引き出し,Bという知識は六法という引き出し」というように,検索先を変えても不都合はありません。知識によっては,テキストよりも六法の方が引き出しやすいということがあります。それならば,六法を検索先にすべきです。

 

このような考え方ですので,知識によっては「トイレの壁」でも,「携帯電話の待受画面」でも構いません。
「トイレの壁」を検索先にするとは,私が受験生であった頃に実際に行っており,現在も受講生の方に同様の方法を採って頂いているのですが,テキストに掲載されている非常に出題頻度の高い表を自宅のトイレの壁に貼るということです。一例を挙げると,テキストに掲載されている不動産登記法及び商業登記法の登録免許税の表がこれに当たります。これらは,択一及び記述において頻出の知識です(記述はほとんど確実に毎年問われます)。よって,確実に得点する必要があるため,毎日目にするようにトイレの壁にコピーを貼ります。そうすると,検索先は,テキストではなく自宅のトイレの壁となります。本試験で問題を解いている時は,みなさんは頭の中で,本試験の会場から自宅のトイレの壁に飛ぶことになるわけです。
「携帯電話の待受画面」とは,テキストのうちどうしても記憶できない苦手な部分を携帯電話のカメラで撮影し,待受画面にして記憶するということです。朝起きた時,友人にメールをする前,電車の時刻を調べる時,1日に何十回も携帯電話をご覧になると思いますので,その度にテキストの苦手な部分を見ることになります。そうすると,嫌でも頭に焼き付くことになります。そのようにして記憶した部分については,検索先はテキストではなく,携帯電話の待受画面となります。

 

このように「検索先の一元化」という発想でいけば,一つの教材に書き込んだり,貼り付けたりするという作業がなくなります。
従って,検索先の一元化であれば,情報の一元化の問題点がなくなるわけです。

 

 

情報の一元化

検索先の一元化

【情報の一元化に書けている大きな視点】
 情報を集約した教材は本試験に持ち込めない 

 

本試験に持ち込める「脳」を基準に考える

【最大の欠点】
 作業に時間がかかる

 

物体ではなく脳を基準にするため,作業の時間がかからない

 

 

 

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