司法書士試験

どの試験でも,「インプット」「アウトプット」という言葉が出てきます。「インプット」「アウトプット」は,通常は以下の意味で使用されます。

 

・インプット:テキストの学習
・アウトプット:問題演習

 

しかし,私は「インプット」「アウトプット」の概念を上記のようには捉えていません。そして,これが,効率の良い学習をできるかの鍵になると考えていますので,このページではインプットとアウトプットについて考えてみたいと思います。

辞書を引いてみると

前述しましたとおり,インプットは「テキストの学習」,アウトプットは「問題演習」と一般的に捉えられており,何の違和感もなくそう思われている方が多数だと思います。しかし,私は当たり前のように捉えられていることに疑問を持つ性ですので,辞書を引いて「インプット」「アウトプット」の意味を調べたことがあります。辞書には,以下のような意味が記載されています。

 

・Input:入力する
・Output:出力する

 

どこにも,「テキストの学習」「問題演習」とは記載されていません。そこで,フラットになって考えて頂きたいと思います。この「入力する」「出力する」を勉強に素直に当てはめると,次のようになります。

 

・Input:入力する → 頭に入れる
・Output:出力する → 頭から出す

 

「入力する」を勉強に当てはめると「頭に入れる」となる,「出力する」を勉強に当てはめると「頭から出す」となるということには,ほとんどの方が違和感のないところだと思います。

 

「頭に入れる」「頭から出す」と考えると

インプットを「頭に入れる」,アウトプットを「頭から出す」と考えると,学習効率が上がります。「学習効率が上がる」と言われると,「なぜ?」と思われると思います。その答えを説明するために,まずは試験勉強において重要な以下のことを確認しておきます。

 

試験勉強においては,アウトプットができるようにならなければ意味がない

 

試験勉強のゴールは,アウトプットができるようになることです。試験に合格できるかどうかは,点数が取れるかどうかにより決まります。つまり,問題として聞かれたときに「思い出せるかどうか(=アウトプットできるかどうか)」が,点数が取れるか(=合格できるか)を決定します。
よって,試験勉強においては,アウトプットの機会を多く取ることが重要となります。そこで,インプットを「頭に入れる」,アウトプットを「頭から出す」と捉えると,アウトプットの機会を増やすことができるようになります。図示すると,以下のようになります。

 

 

アウトプット概念図

 

 

アウトプットを「問題演習」と捉えると,上記の図にありますとおり,アウトプットの機会が少なくなってしまいます。しかし,アウトプットを「頭から出す」と捉えると,上記の図にありますとおり,アウトプットの機会がかなり増えます。

「頭から出す」のは問題演習の時だけ?

と言われても,「テキストを学習している時に,どのように知識を頭から出せばよいのか?」と疑問に思われる方も多いと思います。しかし,私は,逆に「問題を解いている時しか,知識を頭から出さないのですか?」と申し上げたいです。テキストの学習においても,知識を頭から出す,アウトプットすることはできます。

 

具体的な方法をお伝えします。たとえば,テキストには,以下のような記載があります。

 

 

テキスト

 

 

司法書士試験で出題される「会社法」という科目の知識ですが,「定款」という株式会社の根本規則(株式会社の憲法のようなものだと思って下さい)を変更するには,株主総会の特別決議という,通常の株主総会の決議よりも,多くの株主が賛成する必要がある決議が必要となります。株式会社の根本規則を変更するため,通常の株主総会よりも多くの株主の賛成が必要となるのです。ポイントとなるのは,赤の下線が引かれている,「株主総会の特別決議」という部分です。

 

普通にテキストを読んでしまうと,アウトプットになりませんが,以下の緑色の線のところで“止め”,「株主総会の特別決議」というポイントを思い出そうとすることで,アウトプットとなります。

 

 

テキストでアウトプット

 

 

アウトプット1

小見出しのところで止め(下の部分を紙などで隠して頂いても結構です),「株主総会の特別決議」というポイントを思い出します。「株主総会の特別決議」というポイントを“思い出そうと”しますので,これは,紛れも無くアウトプットです。

 

 

アウトプット2

上記の「小見出しのところで止める」という方法で思い出せなければ,少し文を読み進め,文の後半にある「株主総会の特別決議」というポイントを思い出します。これも,「株主総会の特別決議」というポイントを“思い出そうと”しますので,紛れも無くアウトプットです。
なお,このアウトプット2は,「ある日本語の構造」により,使えることが多くなります。ある日本語の構造とは,「日本語は,結論部分が後半にくる言語である」ということです。「〜できる。」「〜できない。」など,日本語は結論部分が後半にくるのが通常です。日本語にこのような構造があるため,日本では漫才が成立すると言われています。漫才は,「オチ」が不可欠ですが,結論が最初にきてしまう言語では,「オチ」が最初にきてしまい,漫才が成立しません。

 

 

このように,問題形式ではない説明形式のテキストにおいてアウトプットをしながら読み進めると,アウトプットの機会がかなり増え,学習効率がかなり上がります。

 

 

 

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