司法書士

司法書士は士業

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司法書士は「士業」の一つです。「士業」とは,弁護士,司法書士,行政書士,税理士などのことを指します。

 

「士業」とは,基本的に,専門的知識によりお客様自身でもできることをお客様の代わりに行い,報酬を得ることを仕事としている職種のことです。

 

たとえば,弁護士さんが行う業務に訴訟代理というものがあります。テレビドラマなどで,弁護士さんが裁判所の法定に立っている姿をご覧になったことがあると思いますが,あれが訴訟代理です。日本では,弁護士さんに依頼しない本人訴訟というものも可能であり,実際に費用などの都合により弁護士に依頼せずご自身で訴訟をされる方もいらっしゃいます。しかし,裁判ともなると,法律の専門的知識が必要となるため,訴訟のプロである弁護士さんに依頼し代わりに行ってもらうのが通常です。

 

このように,士業の仕事とは,「お客様自身で行うことも可能だが,専門的知識が必要であるため,それをお客様の代わりに行う」というものです。司法書士も士業の一つですので,上記の弁護士さんと同様,「専門的知識を持って,お客様自身が行えることをお客様の代わりに行う」ということに変わりはありません。司法書士が行う専門的知識を要するな業務は,主に以下のものがあります。
※これ以外にもありますが,代表的なものを記載しています。

 

1. 不動産登記
2. 商業登記
3. 簡易裁判所の訴額140万円以下の民事訴訟における訴訟代理人
4. 成年後見
5. 裁判書類作成

 

 

1.不動産登記

不動産登記とは,簡単に言うと,不動産(土地や建物)の名義のことです。

 

たとえば,みなさんがマイホームを購入した場合には,土地と建物の名義を売主さんからみなさんの名前に変えるのが普通です。自動車を購入すると自動車登録をしますが,それの不動産バージョンだと思って下さい。
不動産の名義を変えるためには,法務局(全国にあります)というところに申請しなければなりません。この時,ただ法務局に行って「名義を変えて下さい」と言えばよいというわけではありません。「申請書」というものを書き,登記済証(いわゆる「権利証」です)や印鑑証明書(実印の証明書)などを添付しなければなりません。これは,行う手続きによって「この場合はこうしなさい」ということが法令で定められています。それをお客様から依頼を受けて代わりに行うのが,「不動産登記業務」です。

 

なお,上記ではマイホームの購入という例を出しましたが,これ以外にも不動産の名義を変えることがある場合があります。1つの典型例な例が,「相続」です。たとえば,お父様が亡くなった場合に,お父様の名義であった不動産の名義をお子さん名義に変えるということがあります。この場合にも,お子さんなどから司法書士が依頼を受け,不動産登記業務を行うことがあります。

 

 

2.商業登記

商業登記とは,簡単に言うと,会社の(一部の)情報のことです。
※会社以外の商業登記もありますが,試験勉強を初めていない場合には細かい話ですので,商業登記とは「会社」の話だと思っておいて下さい。

 

たとえば,みなさんが,個人事業主としてインターネット事業を行なっていたとします(インターネット事業ではなく,ご自身のイメージしやすい事業に変えて頂いても結構です)。株式会社などの会社としてではなく,個人事業主としてインターネット事業を行うことも,全く問題ありません。個人事業主として行っている場合には,たとえ従業員を雇っても,どんなに収益が上がっても,「会社」ではありません。それでは,「会社」としたい場合には,どうすればよいのでしょうか?

 

会社としたい場合には,これまた法務局というところに「こういう会社を作りますよ」ということを申請しなければなりません。この場合にも,不動産登記と同じように「こういう申請書を書き,こういう書面を添付しなさい」ということが法令で決まっています。それをお客様から依頼を受けて代わりに行うのが,「商業登記業務」です。

 

このようにして,商業登記の申請を行うと,晴れて会社ができ,その会社の情報を見たい人がいれば法務局というところで見れるようになります(登記を見ます)。

 

つまり,個人事業主と会社との違いは,端的に言ってしまえば「登記をしているか,していないか」です。たとえば,(私事ですが)私も,株式会社を設立しています。従業員は一人も雇っていませんが,株式会社であることに変わりはありません。それに対して,従業員を何十人も雇っていても,商業登記の申請をしていなければ会社ではなく,個人事業主となります。

 

なお,上記では会社を作る(設立する)という例を出しましたが,これ以外にも商業登記の申請をする場合があります。会社を作った(設立した)後に,登記の申請をする必要が出てくることがあります。たとえば,役員が変わった,株式を発行したなどという場合には,登記の申請をしなければなりません。この場合にも,会社から司法書士が依頼を受け,商業登記業務を行うことがあります。

 

 

3.簡易裁判所の訴額140万円以下の民事訴訟における訴訟代理人

「弁護士さんは訴訟代理を行うのが仕事である」という説明をしましたが,実は,司法書士も制限はありますが訴訟代理を行うことができます。

 

その制限の話の前に,まず「訴訟代理」とは何かということですが,端的に言うと「お客様の代わりに(代理),法廷(訴訟)に行くことができる」ということです。テレビドラマなどで映る法廷では,弁護士さん(訴訟代理人)の横にお客様も座っている場合が多いのですが,実はお客様は出廷する必要はありません。お客様の代わりに,弁護士さんが法廷にいけばよいのです。それを,司法書士も行えるようになりました。よく「柵を超えられた」などと言います。「柵」とは,法廷にある傍聴席とを区切っている柵のことです。

 

しかし,弁護士さんと異なり以下の3つの制限があります。

 

ア 簡易裁判所に限る
イ 訴額140万円以下に限る
ウ 民事訴訟に限る

 

アについて
裁判所には,最高裁判所,高等裁判所,地方裁判所,家庭裁判所,及び,簡易裁判所がありますが,司法書士が訴訟代理を行えるのは簡易裁判所の裁判のみです。

 

イについて
「訴額」の正確な定義の話をすると難しくなってきますので,「140万円を超える高額の事件はダメなんだな」くらいに思っておいて下さい。

 

ウについて
刑事訴訟もありますが,司法書士が訴訟代理を行えるのは民事訴訟のみです。

 

このように制限はありますが,従来は弁護士さんしか行えなかった業務の一部を司法書士も行えるようになったというのは事実です。

 

なお,上記1〜5の業務のうち,この訴訟代理業務だけは,単に司法書士試験に合格しただけでは行えるようになりません。司法書士試験に合格し,特別研修という研修(1か月強)を受けた上で,認定を受ける必要があります。「認定を受ける」と言いましたが,要は「試験」です。試験は,毎年6月に行われますが,司法書士試験よりは明らかに難易度が低い試験ですので,忙しい事務所に入り勉強時間が取れないなどということがなければ,合格することはそれほど困難ではありません。

 

近年台頭してきている業務であり,この業務だけで経営している事務所もある程です。しかし,あくまで「簡易裁判所」「訴額140万円以下」「民事訴訟」という限界はありますので,事件の内容によっては依頼を受けられないということもありますし,依頼を受けて業務を行なっていても,地方裁判所への控訴などにより弁護士さんへ引き継がなければいけなくなるということもあるのが現実です。

 

 

4.成年後見

「ご年配の方が,判断力が弱くなったのにつけこまれて不必要なリフォーム契約を締結させられた」などというニュースの特集などをご覧になったことがあると思います。この場合,自分の意思で契約したのですから,基本的にはリフォーム費用を支払わなければなりません。しかし,事前に「成年後見制度」というものを利用しておけば,支払わなくてよくなります。具体的には,家庭裁判所で「成年後見人」という者を選任してもらっておけば,不必要なリフォーム契約を締結させられた場合でも,その契約を取り消すことができます。この「成年後見人」になるということが,司法書士の1つの業務となっています。

 

なお,この「成年後見人」には,司法書士でないとなれないというわけではありません。社会福祉士さんや弁護士さんも選任されています。しかし,司法書士が占める割合は高くなっています。

 

 

5.裁判書類作成

「裁判書類作成」と聞いて,「上記3の『訴訟代理』と何が違うの?」と思われたかもしれません。どちらも,裁判関係の業務ではありますが,この「裁判書類作成」は,「訴訟代理」と異なり“柵は超えられません”。

 

法廷に行くのはお客様自身ですが,裁判に必要な書類(訴状や答弁書など)をお客様の代わりに作成するのがこの業務です。テレビドラマなどでは,裁判というと証人尋問などがクローズアップされますが,実際の裁判では多数の書類を出す必要があり,その書類の作成には法的知識が必要になります。実は,「弁護士に依頼すると高額になるので,裁判は自分でやるが,難しい書類の作成は司法書士に任せる」というお客様も,一定数いらっしゃいます。

 

なお,この「裁判書類作成」は,上記3の「訴訟代理」のような制限はありませんので,たとえ最高裁判所であっても,1億円の請求であっても,刑事訴訟であっても,行うことができます。

 

 

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